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フードバトル長崎

私はさすらいのハンバーガー評論家。
身分を隠し、こっそりとターゲットの店に行き、味をチェックする。 もちろん店員に私の正体が見破られることは無い。 彼ら店員は、私の記事が雑誌に載ってから初めて、私が訪れたことを知るのだ。 平たく言えば、抜き打ち検査ってところかな。
さて今日のターゲットはハンバーガーショップヒ○リだ。 ここはとても有名な店だと、私の所属する掲示…掲示…、刑事が集まる部署に 書きこ…、駆け込んできて情報を提供してくれた方がおり、 協議の結果、慢心は無いかチェックを入れることになったのだ。
店につくと客が5,6人ほど並んでいた。 さすがに有名なだけあるな、平日の4時過ぎだというのに。 少し気圧されたが、そこは私もプロ。何気なく注文をした。 「エッグ…、エッグベーコン、バーガーとホットドッグを下さい」
よし、気取られること無く注文できた! 心の中でガッツポーズをし、出来上がるのを待った。
あまりに暇なので、近くにある階段を上ったり下りたりするなどウロウロしていると、 店員の「○○番でお待ちのお客様〜」と呼ぶ声が聞こえてきた。 これは私の番号だ。早速受け取ると、いざ食す。
まずはホットドッグからだ。 腹も減っていたので勢い良くガブッとやる。 すぐに口の中で、なんともいえない味わいが広がった―。
これは、この食感は、例えるなら海。海の中をウインナーが泳いでいる。 奇跡だ。ホットドッグでこんな味に出会えるとは…。 信じられない、といった顔つきで店員を見やる。
「この海のような、いや、この懐かしい味は一体…。どんな魔法を使ったんだ?」 私が聞くと、店員はしてやったりの表情でこう言い放った。 「フフフ…、それはケチャップだ!」
「な、なにィ!ケチャップだと?!」 私は愕然とした。そういえばケチャップの味しかしない。 と言うよりは、ホットドッグ自体がケチャップまみれだったのだ。 「私を騙したなッ!貴様ッ!一体何人の人間をそうやって騙してきたッ?!」 「オマエは今までに取りこぼした小役の数を覚えているか?」 店員の言葉に私はがっくりと肩を落とした。
すっかり落ち込んだ私を見て、店員が声をかけてくる。 「おい、エッグ・ベーコンバーガーは食わないのか?美味いかもしれないぞ」
こいつは信用できない奴だ。が、私は評論家。 1品目しか食べないのでは評論も何もあったもんじゃない。 意を決してエッグ・ベーコンバーガーを口にした。
「モグモグモグ…。おっ…。んまぁぁぁ〜い!」 それはホットドッグとは比べ物にならないほど良くできていた。 つい夢中になって、あっという間に半分平らげてしまう。
「フフフ…」 ふと店員が不気味に笑った。
私は気にも留めず、ただひたすらほおばり続ける。 が、ハンバーガーも残りわずかになったところで、「ジャリっ」という嫌な音と共に 苦味が口の中に広がる。 「ん〜○$△T%)☆$'#"&#!」
私は何が起こったのか理解できなかった。 その様子を見て取った店員が、してやったりの表情で説明をする。 「馬鹿め!それはタマネギだ」 「な、なんだとっ!」 「しかも、輪切りのな!」 「なにィ?!最初からこうなることを予測していたとでも言うのかジョジョォ〜!」 「オマエは次に『この評論家容赦せん!』と言う!」 「この評論家容赦せん!…ハッ!」 「ヒ○リのハンバーガーは世界イチィィィィ!」

*この物語は味の感想以外フィクションです。こんなぶっ飛んだ店員はいませんし、 実際は車の中で食べました。悪しからず。

ところで『ビッグマン』のベーコンエッグバーガーとアメリカンサンドは美味しかったです、おススメ。
黒豚バーガーは味がありませんでした。

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